離れていても実現できる「本質的なコミュニケーション」とは? ──おいかぜ 柴田一哉×サンタデリバリー 岩崎達也 対談

2021.12.23.柴田


 


 

まえがき  株式会社おいかぜ 代表取締役 柴田 一哉



”良いサービスとは、あるアイデアや気付きを起点とした行動力と執念そのものである”

どこかの偉人の言葉ということではなく、MAGASINNの岩崎くんたちが産み出した”サンタデリバリー”というサービスのことを想いながらボクが先ほど思いついた言葉です。MAGASINN KYOTOをはじめとした、さまざまな企画・サービスを産み出す、彼のオシャレで軽やかな振る舞いとは裏腹に、サンタデリバリーというサービスには”行動力と執念”を感じます。

物流という”モノを運ぶ”ことの合理性や効率性を追求するビジネスに、新たな価値いやもしかしたら原点回帰的な付加価値をつくり出すサービス、ボクのサンタデリバリーに対する解釈です。物流をリバースエンジニアリングするかのような、岩崎くんたちの行為と態度は、”モノを運ぶ”ことの本質に気付かされるわけです。

コロナ禍以降、ボクとスタッフのみんなとの間の直接的なコミュニケーションが一気に減りました。事務所や拠点で何気なく顔を合わせることや、歓迎会・送別会・新年会・忘年会といった飲み会、月に1回の”ほうれんそう全社会議”、”こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ”のイベントやワークショップ、いろいろなことができなくなったとき、すべてはオンラインやインターネットツールで解決できるわけもなく、この2年近くを悶々とした思いで過ごしていました。そんなとき、岩崎くんがはじめた”サンタデリバリー”に出会い、そしてすぐに”使ってみたい”と思いました。

第18期を良い結果で終えたあと、スタッフみんなへの御礼の意味を込めて取り組んだ、株式会社おいかぜとサンタデリバリーとの“いまを、おいかぜにしよう。”というコンセプトの、リモート勤務のスタッフと絆を深めるデリバリープロジェクト。

そのプロジェクトについてのボクと岩崎くんの対談は、もちろん振り返りではあるのだけれど、会社とスタッフの”本質的なコミュニケーション”の模索と、新しい時代の会社からはたらく人たちへの”新しいおいかぜ”についてのお話になりました。


【プロジェクトムービー】
いまを、おいかぜにしよう。リモート勤務のスタッフと絆を深めるデリバリープロジェクト | 株式会社おいかぜ × サンタデリバリー



 

【対談者プロフィール】
柴田 一哉
1977年京都生まれ。株式会社おいかぜ代表取締役。プロダクション事業(ウェブデザイン・グラフィックデザイン)、ITインフラ事業(サーバ・ネットワーク)を生業にしながら、oikazeごはん、こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ、はたらくデザイン事業部など自社プロジェクトも展開中。テクノロジーとデザインの領域を横断しながら、クライアントの依頼や課題に日々向き合っている。

岩崎 達也
1985年兵庫出身、京都在住。株式会社マガザン代表取締役、サンタデリバリー株式会社取締役。「泊まれる雑誌」をコンセプトにした宿『マガザンキョウト』を運営する傍ら、プレミアムデリバリーサービスを行う『サンタデリバリー』を始動。「届ける」をより素敵にするためのプロジェクトを展開している。

 

コロナでなくなった「関係性を確かめる方法」




柴田:
僕がサンタデリバリーのサービスを使おうと思ったのは、シンプルに「このサービス、めちゃくちゃおもしろいな」と思ったからなんです。

サンタデリバリーのサービスを立ち上げた1人である岩崎くんとは、もともとプライベートでも仲良くしていただいていたり、サンタデリのWebサイトをおいかぜで作らせてもらったこともあるんですけど、「配送に付加価値をつける」という、まだ誰も目をつけていないアイデア自体が単純にすごくおもしろいなと思っていて。



岩崎:
最初は、プライベートで柴田さんとドライブしながら「今度こんなことしようと思ってるんですけど」って話したんですよね。それから正式にサイトの制作を依頼させていただいて。その後、柴田さんの方から「うちもこのサービス使いたいんですけど」って言っていただいたときにはびっくりしました。「えっ、いいんですか!?」って(笑)。

柴田:
なんでそこまでサンタデリのサービスに惹かれたかというと、おいかぜではこれまでに2度「年賀状企画」っていうのをやっているんですよ。年賀状に書いてあるコードをサイトで入力すると、僕からの個別メッセージが表示されて、すごい高確率でプレゼントが当たるっていう抽選コンテンツなんですね。それが結構好評で、プレゼントを受け取った方から「当たりましたよ!」っていうお礼のレスポンスをすごくいただくんですよね。





岩崎:
ちなみに僕はこれまで全部外れてます(笑)。

柴田:
すみません、そこらへんの宝くじより全然確率高いんですけどね(笑)。で、そのリアクションをいただきながら、「この年賀状企画は『お客様とのエンゲージメントを高める』という意味ではいい企画やな」と思っていたわけです。

サンタデリのサービスはその感じに近いなと直感的に思いました。僕が会社の年賀状でしかできなかったことを、さらに広い領域でサービスにしようとしている。おもしろい方達だなぁと。

岩崎:
ありがとうございます。

柴田:
コロナによってこの2年近く、みんなで集まる機会がずいぶん減ってしまいました。歓迎会や飲み会は激減したし、緊急事態宣言下ではリモートワークになって。毎月の全社会議もYouTube配信になり、全員がひとところに集まることがほとんどなくなったんですよね。

これまでにいろいろとあった「社員との関係性を確かめる方法や場」が、コロナをきっかけに一気になくなってしまった。僕の中で、そのことへの課題感がずっとあったんです。

岩崎:
はい、はい。



柴田:
とは言え、ありがたいことにお仕事はたくさんいただいていて、この2年近くはずっと繁忙期が続いているような状況でした。そこでボーナスという形での還元はもちろんのこと、社員のみんなのために他にも何かできないかなと。それもあり今回、「社員に贈るプレゼント」というテーマでサービスを使わせていただいたんです。

岩崎:
実はサンタデリバリーとしては、「社長から社員の皆さんに何かを贈る」っていうケースは初めてでした。これまでは、社外の取引先やお客様に何かを贈るケースだったので。
でも最初のヒアリングで、柴田さんの中で「社員さんとの関係性を深める」というビジョンがはっきりされているのがわかったので、プランニングはしやすかったですね。あとは、どう実行するか。普段仲良くさせていただいているぶん、「失敗できねえな」とは思っていました(笑)。



柴田:
あはは。でもぶっちゃけて言うと、サービス後の結果や効果についてはそんなに期待していなかったんですよ。本音を言うと、ただこのサービスを使ってみたかっただけなんです(笑)。
僕がモノやサービスを買うときとか、外部の方にお願いするときって、結構そういう感じなんですよね。「使ってみたらどうなるんやろう」「どういうふうにやってくれるんやろう」っていう好奇心がほとんどでしたね。

 

一番大変だったのは、プレゼント選び




岩崎:
今回のプロジェクトのテーマは「いまを、おいかぜにしよう」でした。「リモート勤務のスタッフと絆を深める、デリバリープロジェクト」というコンセプトですね。
企画書を作る時、このワードは割とスルッと出てきました。おいかぜさんの理念である「だれかのおいかぜになる」と、今回柴田さんが社員さんに対してしたいことがそのまま繋がっているように感じたので。コロナ禍の今、環境が変わったりストレスが溜まったりすることが多いかもしれないけれど、その状況を「おいかぜ」にしようよ、というコンセプトでプランを組み立てました。

柴田:
はい。僕もそこにはまったく異論はなかったです。

岩崎:
具体的には、社員さんお一人ずつにプレゼントを選び、正装した配送スタッフが丁寧にお届けするという内容です。とは言え、配送者はあくまで仲介する役割で、主役は「配送されるもの」なんですよね。今回の場合は「柴田さんの想い」です。それをいかに減衰させずに届けるかが、僕たちの課題でした。サンタデリはまだまだサービスが発展途上なので、とにかくベストを尽くそうと、リソースを全投入して挑みましたね。



柴田:
僕としては、ただただ「いかによこしまな感情を入れないか」を気をつけました(笑)。せっかくやるならプロモーションも兼ねようとか、パートナー企業さんにも贈ろうとか、ついいろいろ付け足したくなってしまいがちな性格なんですけど、そうすると薄まるじゃないですか。岩崎くんが今おっしゃったように、僕の想いが「減衰」してしまう。だからそこは何も付け足さずに、ピュアにいこうと考えていました。

岩崎:
まずは「社員さんに何を渡すか」を考えることから始まりましたけど、これが実はかなり大変でしたよね。もしかしたら一番時間がかかったところかも……。

柴田:
最初は一人ひとり自分で選ぼうと思っていたんですよ。slackで「最近欲しいものない?」って聞こうかと思ったんですけど、35名もいるのでそれだと収集つかへんなと。

それで一度、岩崎くんに「どういうのがいいですかね?」って壁打ちをさせてもらいましたよね。



岩崎:
この時間もすごくよかったんですよね。柴田さんが社員さんのリストを持ってきてくださったんですけど、僕が「この方はどんな方なんですか?」って聞いたら全員淀みなく答えてくださって。「この人は一人暮らしをしてて」「お子さんが最近生まれて」「こういうのが好きで」とか。まずそこに感動しましたね。あー、これは僕らがちゃんとやりさえすればうまくいくなと。

柴田:
ははは。それで話しているうちに、なんとなくパターンが見えてきて。

岩崎:
そう。このグループの皆さんにはこういう特徴があるから、こんな贈り物はどうですかね、と。それで最終的には4パターンになりました。



柴田:
予算が1人1万円だったので、7千円のプレゼントを2つ、3千円のプレゼントを2つ用意して。ラインナップは、坂ノ途中さんのギフトボックスに、SOU・SOUさんの子供用甚平、伊藤軒さんのお菓子に、京都醸造さんのビールです。それを人によって組み合わせを変えつつ贈ろうと。「この人はお子さんがいるから甚平にしよう」とか「お酒が好きだからビールにしよう」とか。

気をつけたのは、「食べてなくなるもの」と「『絶対に使える』とわかっているもの」にしたことです。自分が贈る立場になると、「この時代、モノをもらっても困るよなー」って思って。好みをちゃんと把握しているほどの仲ならともかく、もらって困るモノをあげたくないじゃないですか。

岩崎:
確かに。そして、ここも柴田さんらしいなぁと思いましたが、ほぼ全部クライアントとして縁のある方たちの商品でしたよね。



柴田:
そうですね。お客様に対していつもお仕事をさせていただいているお礼の気持ちももちろんあったんですが、社員のみんなにもより深くお客様のことを知ってほしかったんです。そのいい機会になるなと。

岩崎:
実際に使ってみると、お客様への見る目も変わりますしね。こんなに良いモノを作っていらっしゃるんだなぁとか。

柴田:
本当にそうですよね。他にもいろんな候補商品があって迷うくらいで、改めてうちはいいお客さんに恵まれているなと思いました。

あと、うちはシャイなスタッフが多いので、ネタっぽいプレゼントの選び方はできないなと思ってて(笑)、ちゃんと喜んでくれそうなものを選びました。プレゼント選びが一番大変だったので、いい形に落ち着いてよかったです。

 

「想い」をいかに減衰させないまま届けられるか


岩崎:
もうひとつの柴田さんの仕事が「手紙」でしたね。

柴田:
はい、35名分を手書きで。「想いを減衰させないように」という、岩崎くんたちからの提案でしたよね。なるほど、それもそうやな、と。

それでまずは下書きテキストを用意して、ポストカードにどれくらいの文量だったら収まるかなと確認しながら……。



岩崎:
丁寧だなぁと思いながら見てましたよ。最初は「手紙のスペース全部埋まるかな」と言ってらしたけど、いざ書いてみたらみっちみちで(笑)。2時間で終わるかと思ったら、5時間かかっても終わらず宿題に。

柴田:
書くの大変でしたねえ。でも初期衝動っていうか、最初の想いをどう届けるかって大事じゃないですか。細かいところですけど。

岩崎:
内容も全て変えられていましたよね。

柴田:
そうですね。産休中の人には「復帰したらよろしくね」とか、最近資格をとった人には「頑張って合格したらしいな」とか。



岩崎:
書くのすごく大変だったと思うんですけど、書きながら心境の変化ってありました?

柴田:
うーん。これはサンタデリのサービスの根幹に関わる話かもしれないんですけど、それまでは全部「点」だったんですよね。僕の中ではまだ、「プレゼント」を「サンタデリ」が「社員」に届ける、みたいなポイントがあるだけだったんです。

でも書いているときに、「あ、これコミュニケーションなんや」って初めて腑に落ちたんですよね。「点と点が繋がって、このメッセージが届くんや」って、手で書くことで身体的にわかった感じでした。



岩崎:
おー、おもしろい。

柴田:
僕と社員の間を移動するのはもちろん「モノ」なんだけど、そこに手書きのメッセージをつけることで、点全体が繋がってコミュニケーションになるっていうか。だからもっとちゃんと書こうって思って。

サンタデリをおもしろいと思ったのは、まさにそこなんです。物流って、アウトソースされてきた部分じゃないですか。昔なら自分で届けていたものが、時代の流れとともに外部委託されていった。そうすることで、「届ける」という行為が身体的じゃなくなっていったんですよね。

岩崎:
はい、はい。

柴田:
すでに当たり前すぎて気づけなくなっているけど、サンタデリはその「届ける」という身体性を思い出させてくれそうな予感がしたんです。根源的なところへ逆走しているサービスなんじゃないかなと、このとき思いましたね。



岩崎:
なるほど。さっきも言いましたけど、配送はあくまで「届ける」ことが役割なんです。繰り返し言っていますが「送り手の想いを減衰させないこと」が価値なんですね。

柴田:
うん、その通りですね。

岩崎:
実は僕たち、これまでは軒先で良い反応をもらおうとしていたんですよ。僕らがモノを手渡す瞬間に、サプライズ的に喜んでほしいって思っていたんです。
でも、別にそんなこといらないな、それはエゴだな、って今回わかりました。一番喜んでもらうべき瞬間は、開けたあとなんです。プレゼントを開けて、柴田さんの手紙を読んでもらうとき。だから、増幅しなくていい。ただただ、減衰させないこと。



柴田:
昔だったら、お中元もお歳暮も手渡しだったわけじゃないですか。自分の手で持っていったら、想いの減衰も何もないですよね。それを今どう再現させるかって考えると、すごいサービスですよね。

岩崎:
現状の配送サービスにとっては、「想い」ってリスクとコストなんですね。預かるのは荷物と宛先情報だけでいい。物量が増え、配送員が減る中で、メッセージやテンションなどの「想い」まで預かってしまうと、別のエネルギーが必要になってしまうから、今そこは省略化されているんです。
僕たちはその部分を省略化せず、送り手の想いをいかに冷めさせないで、同じ温度感のまま届けられるかに挑戦したい。ただそこに自分たちのエゴを乗っけると、違う温度になってしまう。だから減衰を最小限にしつつ「丁寧に届いたな」って感じてもらえるだけでいいんだと、改めて教えてもらいました。

 

お金に「想い」は乗せられない?


岩崎:
配送前日に「荷物を送るので、リモート対応可能な方は在宅してください」とだけ総務の方からアナウンスをしてもらったのですが、お届けした時はやっぱり皆さん驚かれていましたね。「わお!」っていうよりは「えっ、あ、はい!」みたいな。
サプライズの余地を欲張っていたので説明は省略したけれど、「正装をした人が、柴田さんからのプレゼントを届けに行きます」くらい言ってもよかったかもなと思います。そこまで言った方が、心の準備ができたかも。

柴田:
そうですね、何度も言いますがおいかぜのみんなシャイなので(笑)。でも、届いたそばからslackでバンバンお礼のメッセージをもらいましたよ。その後、直接お礼を言いにきてくれたスタッフもいるし、中には手書きの手紙をくれた子もいて。あまりにリアクションが良くて、それはすごく嬉しかったですね。

岩崎:
柴田さん、その手紙の一部を匿名の方として写真に撮って送ってくれたじゃないですか。サンタデリの代表で配送設計を担う西尾は、そこから読み取れる柴田さんと社員さんとの関係を想像して号泣したそうです(笑)。



柴田:
あはは。まさにさっき言った、点と点が繋がったコミュニケーションの帰結ですよね。もしかしたら、始まりかもしれないけど。

このとき思ったんですけど、今回の贈り物って、社員にとってはボーナスとは全然意味が違うもんなんだろうなぁと。利益の還元という意味では同じですけど、普通ボーナスもらって「ありがとうございます!」って言わないじゃないですか。

岩崎:
ああ、なるほど。

柴田:
でも僕にとっては、どちらも同じ気持ちなんです。ボーナスって仕組みで決められているとみんな思っていると思うけど、実はその後に「この人は今年こんなふうに頑張ってくれたな」って一人ひとり顔を思い浮かべながら、調整をしているんですね。それは、サンタデリでプレゼントを選ぶ時の気持ちとなんら変わらない。「ありがとう」っていう気持ちに変わりはないんですよ。

でも、さっき「想いをどう減衰させずに届けるか」という話がありましたが、お金って「想い」を乗せるのが難しいものなのかもしれませんね。会社の給与や賞与システムって、そもそも「想い」を乗せる類のものじゃないのかもなぁというのは、今回の大きな気づきでした。


 

離れていても手間をかければ、会社を繋げていける


岩崎:
今回柴田さんの中で、他に新しい気づきはありましたか?

柴田:
そうですねえ……コロナって、コミュニケーションを変質させましたよね。例えば東京にいる人と京都にいる人がオンラインで会議するって、今は普通になったじゃないですか。遠距離であることへの心理的なハードルが下がって、コミュニケーションの種類が増えたなって思うんです。

その代わり、「本質的なコミュニケーションってなんだろう?」と考える機会も増えました。そして、「本質的なコミュニケーションを、社員とちゃんととっていきたいな」とも。

岩崎:
「本質的なコミュニケーション」?

柴田:
はい。多分それって、一人ひとりに「今の僕の気持ち」を伝えることだと思うんです。会社の方向性がどうのとか、今後のビジョンがどうのとか、そういう大きな話もありますけど、それよりまず「今のあなたについて、今の僕がどう思っているか」を伝え続けないと、関係性って継続しないなって。それを今回、サンタデリで深く実現できた気がします。



岩崎:
そういうコミュニケーションって、まだオンラインでは難しいですよね。

柴田:
できなくはないけど、やっぱり身体性が抜け落ちてしまうんでしょうね。その分減衰するというか。そこを今回は、減衰させないでくれる媒介としてサンタデリバリーがあったから、ちゃんと届いたんだろうなと。

だから、こういうやり方でエンゲージメントが高められるんだなって、新しい方法を知った気持ちになりました。離れていても手間をかければ、会社って繋げていけるんだろうなって。

岩崎:
物流網って、俯瞰して見るとインターネット的だと思うんです。日本って特にきめ細やかで、毛細血管みたいに張り巡らされているんです。そこにいかに体温を乗せるかっていうのは、今回改めて意識させられました。

柴田:
うんうん。どの会社にも共通した課題だと思うんですけど、これまで「集まること」でできていたことをどう代替させるかが経営のキーワードだと思うんです。

だからと言って、今更「リモートをやめよう」というのも違うし、「デジタルで十分」というのも違う気がする。自由な働き方を維持させながら、今までと変わらないコミュニケーションをどう実現させていくか。それがまさに新しい「おいかぜ」の形だと思うんですけど。

岩崎:
その答えは見つかりそうですか?

柴田:
さっき僕、「コミュニケーションの起点かもしれない」って言ったけれど、これから作っていける予感は掴むことができました。

サンタデリのサービスを、仮に来年も同じように使ったとしても、必ずみんなに喜んでもらえるだろうってわかったのは大きかった。つまり「コロナがなくなったらもう一度みんなで集まろうよ」以外の、答えを持てたってことですね。こういうやり方でもコミュニケーションが取れるんだな、エンゲージメントが高められるんだなってわかったから、既存の答え以外の新しい方法を持てた手応えがありましたね。

岩崎:
それはすごく嬉しいです。


 

エンゲージメントは、数字じゃなくて濃度


岩崎:
柴田さん、プロジェクトの最後に「世の中の中小企業の社長さん、みんなこのサービス使えばいいのに」っておっしゃってくれてましたね(笑)。

柴田:
そうそう。例えば「採用がうまくいかない」って悩んでいる社長さんっていっぱいいると思うんですけど、それを解決するには、まずはすでにいる社員のエンゲージメントを高めることだと思うんです。つまり「社長の想いをどう減衰させずに届けるか」だから、一度サンタデリを使えばいいのでは?と。

とは言え、今回このサービスを使ったことで、みんなが「柴田さんっていい社長やな」とか「この会社で一生働くぞ!」って思ってくれてるとは別に思ってないですよ(笑)。ただ、僕が一人ひとりのことを気にかけてることは伝わったんじゃないでしょうか。



岩崎:
まさに先ほど話に出た「本質的なコミュニケーション」ですね。

柴田:
そう。社員のみんなが「うちの会社、結構いい会社やな」ってちょっとでも思ってくれたら、これほど信憑性の高い広報ってないですよ。それをせずに「うまく採用したい」「うまく広報したい」っていうのは違うと思う。

岩崎:
この会社居心地がいいなっていうのは、意外と「いつも見てもらえてる」とか「ありがとうって言われる」ことだったりすると思います。ささやかに見えてすごく難しいところに、本質的なコミュニケーションはあるのかもしれません。

柴田:
結局、エンゲージメントって数字じゃなくて濃度なんでしょうね。いかに重い球を外に投げられるかだと思うから、まずは社内に向き合わないと重くならないと思います。

おいかぜではウェブ関連の仕事を幅広くやっているんですが、マーケティング領域よりも圧倒的にクリエイティブ領域の方が強いんですよ。なぜマーケ領域を強化しないかというと、そこじゃないところに価値があると思っているからなんです。



岩崎:
はい、はい。

柴田:
僕自身、お客様に「そもそも中に刺さらないと、いくら外に向かっていいことを言ったって何も意味ないですよ」と言ってインナープロモーションのご提案をすることがあるんですが、それはまさにサンタデリのやっていることと同じだと思いますね。限られた領域に針を刺しにいくようなクリエイティブこそ、本質的だと思っている。

そういうクリエイティブへの需要って、これからもっと多くなると思います。そのアンテナも含めて、サンタデリっておもしろいなって思うし、だからこそ、一緒にやりたいって思ったのかもしれないですね。

岩崎:
そうですね。カッコつけるんじゃなくて、想いをそのままの熱量で届けられたらそれでいい。サンタデリはそのお手伝いをしたいし、今回のプロジェクトで貴重な改善点に気づかせていただいたからこそ、「できるな」って改めて思いました。

柴田さんに一緒にプロジェクトをさせていただいたことでいろんな気づきがあって、「おいかぜプロジェクト before / after」で全然違うくらい変わる大きな体験だったので、とても感謝しています。

そして、とてもあたたかくご自宅でお迎えくださった社員の皆様にも「本当にありがとうございます」とお伝えしたいです。

柴田:
こちらこそ、たくさんの気づきをいただきました。何より一緒に遊べた感じもあり、すごく楽しかったです。ぜひまたよろしくお願いします!


 


(サンタデリバリーでの記事はこちらから)