19年目も”だれかのおいかぜになる”ために

2021.09.03.柴田



株式会社おいかぜの第19期がはじまりました。

第19期スタートの日の朝一番に役員3人で打ち合わせというかリモート雑談をしました。
第18期を良い結果で終われたこと、まずはこの2人の尽力に感謝が言いたかった、そして今期はおいかぜとしてこんなふうにやっていきたいって話がしたかったのです。



この1年は”地固めの1年にしたい”ってこと、そんなことを話しました。

ボクは割といつも”地固め”しているようなタイプの経営者ではあるのですが、第19期の1年はもっともっと”地固め”を意識していきたいなぁと思っています。

COVID-19がはじまって2年、良くなる兆しがないこの数ヶ月、おいかぜはうまく対応できているほうだとは思っているのだけれど、経営陣とスタッフ間の小さな意識のズレとかスタッフみんなの働くうえでの・暮らすうえでのストレスが溜まってきている気がしています。
まだ顕在化していないところで。
所謂”新しい生活様式”を意識した上で、そういうスタッフみんなのモチベーションのことだったり、仕事のパフォーマンスだったりをボクたち経営陣がケアしたりフォローしていかないと、ここからの長期戦を闘い抜けないなぁというのが19期目のスタートにボクと峯くんと佐野さんの3人で話す機会を持ちたかった大きな理由なのです。

話題は少し変わって、このボクのnoteのはなし。

あんなに忙しかった年度末ですらコンスタントに書いていたこのnoteの連載。
激務を抜けた瞬間に書かなくなってしまいました。
もしかしたら書けなくなっていたのかも。

何かがあったとかそういうことではないけれど、世の中のネガティブな空気にあてられていたのかもしれないし、年度末のいろいろを内省していたのか、筆が進まない自分を叱咤することさえしていませんでした。

さすがに40年以上生きていると、そういうときは日々を淡々と過ごすしかないということはわかっていて、目の前のタスクを消化しつつ、会社のみんなで事務所でビールを飲んだり、毎週テニスをしてみたり、子どもたちと夏を楽しんでみたり、ミクロコスモスと自宅の空間をアップデートしてみたり、そんなことをしながらも脳みその70%くらいは”おいかぜのいままで”を振り返りながら”おいかぜのこれから”の仮説を立てて検証してみるということを繰り返していました。
あくまで頭の中で。

今年の夏が始まったくらいに自分の父親と仕事の話をする機会がありました。
父親は70代。じじい3人で会社を経営しています。
40代半ばでサラリーマンとして働いていた会社が倒産したとき、その会社の仕事の一部を引き継ぐ形でおじさん3人で起業、それから30年近く制御系のエンジニアリングの会社をしています。
いまもプログラミングをしている父親はボクとはぜんぜん違って、バリバリの理系エンジニア。
そんな父親が「そろそろ会社を畳もうと思う」という話をしてくれたとき、「うんうん。ゆっくりしたらいいよ。」と思う気持ちと、「あぁ。もうそんな年齢になったんだな。」という気持ちが入り混じって少し寂しかった。
ボクの子どもたちのおじいちゃんという意味ではそのものづくりのスキルで、孫たちと何かつくったりしたらおもしろいんじゃないかなぁとか、そんなことを話したりしたのですが。

父親とそんな話をしながら、彼の40代から30年近くを想像していました。
この想像はボクが最近いつも考えている”おいかぜの次の20年・次の30年”と見事にリンクする。
そんなことに気付きました。
20年後ボクは64歳。30年後ならボクは74歳なわけです。

そんな時間を経て、ボクの思考と視界が少しクリアになりました。
それはポジティブなことばかりではなく現実を突きつけられるようなネガティブなことも含めて。
当たり前のことなんだけどボクは老いていく。そして一緒にがんばっているスタッフたちも同じように時間が経過する。

それはボクがあと20年とか30年かけてやれることなんてたかがしれている、とても限られているという現実です。
起業した20代に想像した”おいかぜの次の20年・次の30年”と、現在地のボクからのそれでは意味がぜんぜん違ってくる。
そんな当たり前のことに気付いて向き合ったとき、あぁ文章を書かなきゃ、拙いボクの言葉たちでボクの思考を言語化していかなきゃって思ったのです。

19年目。自分でつくった会社がこんなに長く続くって想像していなかった。
第19期ってすごいですね!なんて言ってもらうこともあるでしょうし、実際すごいことなんだろうとボンヤリに感じてはいるけれど、創業した日からずっと試行錯誤の連続です。

こうやってまたスタートの日を迎えられたことに感謝しています。おいかぜのスタッフのみなさん、おいかぜのお客様、おいかぜに関わってくださっているみなさん、本当にありがとうございます。

第18期は本当に忙しかった。うまくいったことはたくさんあるし、うまくいかなかったこともあります。

うまくいったってことは、みなさんの期待に応えられたから。
うまくいかなかったってことは、みなさんの期待と自分たちの姿にギャップがあったから。
そう思っています。
第19期のスタートにあたって、そのギャップについて言語化して、より多くのみなさんの期待に応えられる存在になりたい。

経営の諸先輩方からすると当たり前かもしれないよう、つまりボクなりの経営者としての期初の所信表明”19年目のおいかぜの地固め”についての話です。





1、おいかぜの”リーガルとリテラシー”の言語化

第18期はこの”リーガルとリテラシー”という言葉をスタッフの前で何度話したかわかりません。おいかぜの”リーガルとリテラシー”を言語化していきたい、仕組みとして落とし込んでいきたいと思っています。

ボクの定義として”リーガル”とは”契約書などの法律に基づいた約束事”、”リテラシー”とは”お客さんのWeb・デザイン・ITそれ自身の知識及びそれらに関する仕事に対する知識・理解力・判断力、応用力”と捉えています。
もう一つの視点として”リーガル”はより”事後的”、”リテラシー”はより”事前的”に効果・効力を発揮するという認識です。
もう少し踏み込むと”リーガル”は”何かトラブルが起きたとき”に使うことが多く、”リテラシー”は”案件がはじまる前に確認する”ために使うことが多いということだと思っています。

リーガル”も”リテラシー”も、どちらもボクたちとお客さんとが円滑に気持ちよく仕事を進めていくために必要なことです。

リーガル”については弁護士さんと一緒に少しづつ積み上げてきた資産がボクたちにもあります。
リテラシー”についてもボクたちなりに積み重ねてきたものがあります。
リーガル”は法律に基づいた話なので、世の中のルールという観点から整備する、弁護士さんの力を借りながら体系立てていく、割と汎用的なルールづくりだと思っています。
リテラシー”の場合、世の中のルールとして存在しているわけではなくって業界の慣習や会社のやり方のような割と抽象度が高いもの、例えば”うちはこんな仕事のやり方してます”というようなワークフロー、”うちはこんな技術を持っています”などの具体的な業務範囲、”CMSってこういうものですよ”とか、”Webの動作検証ってこういうことをやります”とかの業界知識みたいなことなので、きっとその会社独自のものになるはずです。

そして俯瞰して見たとき、”リテラシー”は”リーガル”に内在しているものであり、”リーガル”から派生するものであり、”リーガル”と”リテラシー”は対を成すものであります。
リーガルとリテラシーは双子のような存在”だと考えています。

そんなおいかぜの”リーガル”と”リテラシー”。

リーガル”については法務機能として体制を整備、NDAや契約書の整備、受発注のワークフローの整備、納品・検収まわりのワークフローの整備など、いまある仕組みや制度をアップデートしていきたいと考えています。

そして”リテラシー”については、言語化とツール化がきちんとできていません。
紙のツールが最適なのか、Webサイトをつくることが最適なのか、どちらも採用するべきなのか、まだ課題はたくさんありますが、まずは経営陣や営業やディレクターに抽象的に遍在している、”うちはこんな仕事のやり方してます”といったことを言語化することをはじめていきたいと思っています。

幸運なことにボクたちにお仕事をくださる多くの方は”おいかぜさんと仕事がしたい!おいかぜさんにお仕事を頼みたい!”と言ってくださいます。
そんな風に言ってもらえるからこそ、ボクたちの仕事の進め方や仕事に対する考え方や仕事のあらゆることを具体的に伝えるべきだと、そしてもっと最適な方法やツールを見つけていく必要がある、この第19期に模索していきたいと思っています。


2、運用・保守の重要性の再認識

第19期に”運用・保守チーム”を立ち上げます。
プロダクション事業部プラットフォームソリューション事業部を横断するチームです。
いままでも当然ながら、それぞれの事業部で運用・保守業務は行なっていたのですが、ディレクターが担当していたり、Webエンジニアが対応してくれたりしていました。
運用・保守チーム”は品質管理業務も担当し、おいかぜの仕事のクオリティの底上げを担う存在にしていきたいと考えています。

いままで各所に遍在していた運用・保守業務をひとところに集めて、新たに人材の採用も行い、おいかぜの”運用・保守チーム”を立ち上げます。

ボクたちおいかぜは”企画、ディレクション、デザイン、Webエンジニアリング、ITインフラエンジニアリング“と幅広く業務を展開している分、運用・保守の幅も広い。
お客さんの事情や状況も様々なので、ハードルは低くないかもしれないけれど、ボクたちおいかぜの仕事のクオリティとお客さんの日々の業務を円滑にするために、第19期に”運用・保守チーム”の立ち上げを実施します。


3、やさしくて・やわらかい場所づくり

組織が大きくなってくると、いろんな事情や理由で最前線で働けなくなるスタッフがでてきます。
そしておいかぜを去っていく人もいます。
仕方のない話なのかもしれないけれど、そういうことがあるたびに、なんとかできなかったかなぁと今までずっと自分に問いかけてきました。

ボクたちの仕事は論理的思考能力が必要な仕事です。
それはプロダクション事業部のクリエイティブな仕事でも、プラットフォームソリューション事業部のITインフラを構築をしていくような仕事でも同じで、複雑なスキルセットが必要になる仕事です。

技術の進化、会社の変化、ライフステージの変化、社会情勢の変化”それら全ての進化や変化に対応しながら役割を変えずに働き方を一定に保つことって、実は奇跡みたいな話なんじゃないかと思っていて、人生の穴みたいなところに落ちてしまうようなとき、会社として救いあげることのできる存在でありたい、そういうときはもしかするとルーチンワークとかシンプルな働き方が良いのかもしれない、世の中の仕事が高度化する方向に寄りすぎている、と。

それはボクが”ハイブリッドとうちゃん”時代に強く思ったことでもあります。会社には”やさしくて・やわらかい場所”が必要なんだと思います。

やさしくて・やわらかい場所”があるって理想論なのかもしれません。
いろいろ課題はあります。
これからの時代、いろんな要素が絡み合って働き方や暮らし方や生き方が複雑になって、いわゆる既定路線からドロップする人がたくさん出てくるんだろうと思っています。
自分だってわかんない。
そんなとき一時的にでも受け入れる場所が会社の中に欲しい。

ある日の会議でそんな内容の話をしたときに佐野さんが「それって”やわらかい場所”ですね。」って言ってくれました。
まさにそれだなって思ったわけです。
その言葉をきっかけに、この文章を書いているわけですが。

ボクが会社の移転を考えるとき(良い物件とボクの力不足でぜんぜんうまく進んでいませんが…)、建物とか空間をつくりたいというよりはその”やわらかい場所”をつくりたいって感じです。
COVID-19が加速させた”働く場所の遍在化による、働く時間の細分化”を包み込めるような、”働くと暮らすが溶け合う”ような”やさしくて・やわらかい場所”づくり。
その場所は概念であり、実際の場所であり、働き方であり、役割であり、仕組み・制度である、そう思っています。
もしかしたら”おいかぜ”という存在自体が”やさしくて・やわらかい場所”を目指しているのかもしれません。

とても抽象度が高くて、まだぜんぜん具体性はないけれど、ボクが20年とか30年かけて取り組む課題としてここに書き留めておきます。
第19期にその一端でも掴めたらって思っています。





今期もいろいろな取り組みをしていく予定です。
そろそろオフィシャルサイトのリニューアルはしたいし、デザインもエンジニアリングも精度やクオリティは上げていきたいし、”こどものためのでざいんぷろじぇくと ワワワ”では新しい企画を考えているし、スタッフの評価制度はアップデート中だし、事務所の移転も引き続き検討中だし、プロダクション事業部プラットフォームソリューション事業部それぞれで素敵な会社さんと業務提携の話も進んでいます。

厳しい状況が続きますが、前を向いて進んでいくことは当然のこととして、第19期は”地固め”をキーワードに、いろんな場面でみなさまにお会いして、ボクたちが”だれかのおいかぜになる”存在になれたらって思っています。

そして今期も3人の経営陣を先頭にスタッフみんなで頑張っていきます。
今期も“だれかのおいかぜになる“になるために、ビジネスだけでなくあらゆることで風らしくフレキシブルに愉快な“おいかぜ”に。

第19期も株式会社おいかぜを何卒よろしくお願い致します。


(noteでの記事はこちらから)