音楽活動があるから言語化できた”だれかのおいかぜになる”には構造がある、そして”グラデーションのように拡がっていく”概念 vol.3(後編) Webエンジニア山本聡さん

2021.05.03.柴田


おいかぜにはバンドマンが多い。

とりわけWebエンジニアチームにはバンドマンが多いんです。
特にバンドマン枠があるわけでもなくって、たまたま集まったという感じなのですが。

ボクは音楽がとても好きではありますが、バンドを組んだ経験も無ければ、まともに楽器を演奏したことすらありません。
だからWebエンジニアチームのバンドマン的なノリが羨ましくあり、そして頼もしく感じていたりします。
体育会系とは少し違うフラットな一体感というか。
上下があるようだけれど、個が自立した自由な集団というか。

聡さんはバンドマンです。
いまはお休み中らしいのですが、しっかり活動をされていた方で、ベーシストなんだそうです。

おいかぜはバンドマンだけでなく音楽好きも多いから、世の中がこんな状況になる前は、佐野さん・聡さん・黒田さん(パートナーのWebエンジニア)・柴田の4人でライブを一緒に観に行ったりしていたなぁとか思い出してみたり。

今回の取材で、ほんと素人ですいません的な「扱う楽器やパートによって性格のタイプって分かれんすか?」みたいな、たぶんバンドをやっている人からすると「あーよく聞かれますねー」みたいな質問をしてしまいました。
そんな話を起点とした、聡さんが考える”だれかのおいかぜになる”という言語化のお話にアプローチできた後編。

一緒に働いている人のおいかぜになる、お客さんのおいかぜになる、地域のおいかぜになる、世の中のおいかぜになる。
ボクの中でフラットに捉えていた”おいかぜになる”が、聡さんとの対話によって、”だれかのおいかぜになる”には構造がある、そして”グラデーションのように拡がっていく”のかもしれないという概念を垣間見た気がします。


バンドって自分たちでやりたいからやってる、だから自分がやるって思わないことには前に進まないんです

柴田:
これは前から聞きたかったことなんですけど、会社での役割とかポジションってあるじゃないですか、
聡さんってもしかしたらバンドでも同じようなポジションをとってるんじゃないかなとかって思ってるんですけど、その辺ってどうなんですか?

聡さん:
それ実は違うんですよ。

柴田:
違うんですか!

聡さん:
もし仕事で単純に自分の技術だったり、リテラシだったりに自信があったらかなり前に出たり主張したりします。

柴田、聡さん:
ははははは。笑

聡さん:
そういう弱い人間なんですよ。笑

柴田:
いやいや。笑

聡さん:
問答無用で自分で引っ張るというか、自分で決めてみんなにこれでやるからっていうのをやってもらうというか、ということを特に、バンド活動の最後の方はそれをやってて。

柴田:
ふーん。

聡さん:
面談の時だったか、一度仕事における主体性の話ってしたじゃないですか。

柴田:
はいはいはい。

聡さん:
バンドってほんとなんていうか、ある意味会社とか組織みたいなものにすごく似てると思うんですよね。
でもただの口約束の集まりという。

柴田:
あー、はいはい。

聡さん:
何にも決まりがない、だから誰に求められてるものでもないし、自分たちでやりたいからやってる、だから自分がやるって思わないことには前に進まないんですよね。

柴田:
うんうんうん。

聡さん:
やっぱり何人かが集まると、それができる人とできない人、つまり主体性を持って取り組める人と与えられたことをやるのが得意な人って別れるじゃないですか。

柴田:
うんうんうんうん。

聡さん:
そうなったときに、仕事でもなければ、求められているものでもないとき、ないものを進めようと思ったら、主体性を持った人間が進めないことには、物事まわらないんですよね。

柴田:
はいはいはい。そうですよね。

聡さん:
特に表現なんてゴールないじゃないですか、これをやりたいがないと、だからそういうところで、バンドでやっていたような立ち位置を仕事でもやれるようにならないといけないなって。
これは実はずっと思っていて。笑

柴田:
なるほどなるほど。

聡さん:
そこがずっとボクの中で壁なんですよね、

柴田:
へー!

聡さん:
仕事の中でそれを、バンドのときみたいなあんな感じに立ち回れるようになれるのが理想だけど、それができないのはなんでかって本当によく考えていて、それはなんでかっていうと単純にやっぱり自信が持ち切れてないというか。

柴田:
そうなんですね。

聡さん:
いつまで経っても足りてない足りてない、あ、足りてない足りてないはバンドというか音楽をやっていたらみんなそうだと思うんですけど、なんかそれがずっと仕事の中、仕事って言うとあれですけど、エンジニアリングってものに対してそういう姿勢になっちゃってるところがありますね。
だから自分の中でこういう立ち振る舞いをしたいというか、こういうふうにしたいっていうのは実はバンドの中でやってきたことが一つの形としてある感じです。

柴田:
はいはい。

聡さん:
それをどう仕事の中で同じように振る舞えるかっていうのは実はずっと思っていることです。

柴田:
なるほどね。

聡さん:
そうなんですよ、だからおいかぜの中でのボクの姿と、バンドの中でのボクの姿ってのは真逆とは言わないですけど違うんですよ。
意外なことに。

柴田:
そうっすねーまあほんとに意外な部分は大いにあるんですけど、でもボクが聡さんに感じるのは、たぶんこの人ちゃんと自分がある。
自信があってみたいなところももちろんある、何かしら確固たるものがある人なんだろうなっていうのがあるから、だからおいかぜ”もっと聡さんぐいぐい出てもらっていいですよ” って思ってる、もっと自分勝手に動いてほしいって思ってたのかもしれないです。
そこが、バンドと仕事で真逆とまでは思ってなかったですけど、なんかその、もっと自分を出してくれたらいいのにって思ってたのは、聡さんが仰ったギャップみたいなことを、ボクが聡さんの言動の何かで感じてたのかもしんないですね。

聡さん:
あー。

柴田:
もっとリーダーシップを取れる人だとボクが思ってるから、そういうこと言ってるんだと思います。

聡さん:
そっちのモードになるとね、すげえ嫌な奴になるんですよね。笑

柴田、聡さん:
あはははは。笑

柴田:
おいかぜの難しいところは、嫌な奴になりにくい組織なんですよね。

聡さん:
あー、それ、まあでもそれってすごくいいことですよ。

柴田:
まあボクもいいことだと思います。

聡さん:
割と今ままで色んな組織、まあいくつかの組織にいると、なんて理不尽な人なんだみたいな人が、まあいるじゃないですか。

柴田:
まあいますよね。

聡さん:
そういう人がいないっていうのは、すごく平穏だし、それは素晴らしいことですよね。笑

柴田:
まあそうですよね。
例えば聡さんがさっき仰ったようなバンドでの立ち回りをしたからって、そういう嫌な人になるとは思ってないんですけど、おいかぜの空気的にやっぱり、なんていうんでしょうね、良い人じゃない存在にはなりにくい空気はあると思うんで。

聡さん:
そうですね。

柴田:
実はそれ課題だとボクは思っていて、やっぱり仕事の場面ではちゃんと言うとか、指摘するみたいなところを、ボクがちゃんとできてないところがあるから、みんなもちょっとやりにくい、そういうことをやりにくい空気になっているのは良くないなとは思うんです。

聡さんに別にバンド活動と同じような動きで仕事をしてほしいって思っているわけじゃないんですけど、
なんかその、聡さんの存在感みたいなところがもっと出てもいいと思うし、聡さんが思ってる以上に、みんな聡さんのこと信頼しているというか、すごく頼ってると思います。

聡さん:
ははははは。笑
いやまあそう言っていただけると大変光栄ですけど。

柴田:
バンドと全く同じではないでしょうけど、仕事っておもしろくって、やっぱり単純にストレートに技術、つまりテクニカルなスキルのことだけじゃなくて、その周辺のスキル、例えばコミュニケーションとか調整能力とかいろいろなことを組み合わせこそのスキルじゃないですか。

聡さん:
はい。

柴田:
おいかぜという存在自体が総合力な会社、特にそういう会社なので、そこはもうちょっと俯瞰してご自身を見ていただければ、
今の延長の動きや働きのまま進んでもらって問題ない、そして聡さんの主体性みたいなところにたどり着きそうだなっていう気はしてますけどね。


音楽活動があるから言語化できた”だれかのおいかぜになる”には構造がある、そして”グラデーションのように拡がっていく”概念

柴田:
このインタビューって、ボクはほとんどノープランで挑むんですけど、ライターさんのお仕事のこと詳しくはないんですが、たぶん取材の前に対象者をいろいろリサーチしてたり、自分なりに掘り下げてから挑むと思うんです。

聡さん:
はい。

柴田:
ほら。ボクおいかぜのスタッフのみんなのこと良く知ってるから、掘り下げる必要がないしノープランなんですけど、一つだけ必ず聞こうと思っていることがあって”だれかのおいかぜになる”っていう言葉についてどう思うか?実際どう感じるかとか、自分にとってどういう言葉なのかというところで、質問しているんですね。
聡さんはどう思います?

聡さん:
柴田さんがおっしゃったことで、ボクのスタンスと似てるなと思ったところがあるんです。
ボクは仕事でも何でも、そういう自分を培ってきたものってほとんどバンドのことなんですね。

柴田:
うんうんうん。

聡さん:
バンドの中で自分が何をするかっていうと、ボクはポジション的にベースっていう楽器を弾いてるんです。
ボクたちの音がお客さんに届いたとき「ベースすごいよかったね!」とか、「ベースの音がめっちゃよかったね!」って言われて嬉しいには嬉しいんですけど、矛盾しているようだけどあんまり嬉しくないんです。
ボクたちがしていることって、全体で、結果として全体の音を届けたいので、全体の中で主役は何かって言ったら、ボクたちの場合は歌があるから、歌がすごくよく聴こえたよとか、歌詞がすごく届いたよって言われると「あ!そのためにしたアレンジが功を奏したんだな!」って思えるんですよ。
ボクはそっちの方がうれしくって。

柴田:
うんうん。

聡さん:
ボクはバンドでの役割的にはどっちかっていうと一緒に行動するメンバーをどうやって引き立てるかを考えるっていうのが好きだったりするんですけど、だからその結果としての音が届いた方がお客さんに対して良いことになるだろうって考えるスタンスなんですよ。
どっちかというと。

おいかぜになる”ってのはお客さんに対してのおいかぜなのかもしれないけれど、まず最初に一緒に動く人たち、この人たちに対してボクがどう一緒に動けば活きるかっていうところを考えるところがボクにとって最初の”おいかぜになる”ですかね。
だからメンバーを引き立てる、引き立てるって言い切るとおかしいですけど、その人たちが活躍できる、なんて言えばいいんだろうな、その人たちがうまく機能するっていうか、それを考えることが最終的にゴールになると思っているので、ボクにとっての”だれかのおいかぜになる”って同じメンバーのたち”おいかぜになる”ってことかもしれないです。

柴田:
うんうん。なるほどなるほど。

聡さん:
それが結果的に全てにとってうまくいくっていうところが強くあるのかもしれないです。そこを考えることが多いですね。

柴田:
そうなんですね。
福本さんも同じようなことを言ってたんですよね。

聡さん:
あ、ほんとすか、笑

柴田:
福本さんは典型的なサポートタイプなので、まずやっぱり一緒に働いている人たちの”おいかぜになる”っていう、特にバックオフィスっていう立場というのはあると思います。
いまの聡さんの言葉にはボクにとってすごい良い気付きがあって、今までボクの中で”おいかぜになる”っていう言葉がフラットだったんですよね。
つまりお客さんに対して・一緒に働くスタッフに対して・社会に対して、みたいな感じで並列に”おいかぜになる”ってなってたんですけど、もしかしたら順番というか構造があるのかもしれないなと思いました。
その順番に優劣があるわけじゃなくて、みんながスタッフ一緒に働いている人たちのために風を吹かせると、次にお客さんに風が吹いて、最終的に社会の”おいかぜになる”みたいな、もしかしたらそういう構造なのかもなぁと、いま聡さんの言葉を聞いて思いました。

聡さん:
あー、ボクはそういう考えが強いですね、なんか、結局それって自分が得をすることを考えてるんですよ。

柴田:
はいはいはい。

聡さん:
自分が得するためにはっていうとこがスタートなんですけど、自分が得するには一緒にいる人たちを得させるっていうか、それが結果的に産み出したものでだれかが得するっていうことに結びつくだろうから、そうかもしんないです。

柴田:
なるほど、おもしろい!いいっすね!

聡さん:
結局自分のこと考えてるんすよ、
はははははは、笑

柴田:
そうなんですよ、やっぱり一番大事なのは自分のメリットを最大化するっていうことを、どこかに置いておかないと、思想が偏りすぎることになっちゃうので、やっぱりその気持ちはすごく大事だと思うんですよね。
ボクの場合も、みんなのためを考えてるし、みんながどう求めているかっていうところ、みんなにとってのメリットをどう考えるかってなったとき、それらがボクのメリットとどう噛み合うかって考えないと成り立たないんですよね。

聡さん:
そうですね、そうですね。
ただ奉仕するだけになってしまうと、健全ではないと思います。

柴田:
そうなんですよねー。うん、すごいいいっすね!
”おいかぜになる”をバンドのベースでの役割に例えてもらったことはすごくわかりやすいですね。

でも往々にしてボクたちのような自称音楽好きの拗れたややこしい人たちは「ベースの音がやばいっすね!」とか言っちゃうなぁと思ってて。笑
あはは、笑

聡さん:
あ、それはすごくうれしいんすよ。
すごく音楽を知ってる方とか、ね。

柴田:
はい。でもやっぱり最終的にはバンドでやってる以上は、やっぱりバンドっていう完成系をどう伝えるかってことですもんね。

聡さん:
そうですね。
だから、あの曲って全体の雰囲気がいいよねとか、そういうところで捉えてもらった方が、ああ自分のやった行動が無駄じゃなかったんだなって思えるんですよね。

柴田:
うちの会社にバンドマンが多いっていうのはおもしろいかもしれないですね、そういう意味で言うとね、みんな役割がいろいろあって。

聡さん:
うん、まあ面白いですねぇ。
うん面白いと思います。
みんなやりゃいいのにって思いますよ。笑

柴田:
そうっすね。

聡さん:
バンド。笑
あはは。笑

柴田:
最近のバンド活動はどうなんですか?

聡さん:
今はちょっとお休み中ですけど、またやりたい、もちろんやりたいので、うん、そうですね、なんか自分のやってたことを子供に見せたいなっていうのはあって。

柴田:
なるほどなるほど、

聡さん:
そんなこと俺が思うのかなってのはあったんすけど。笑

柴田、聡さん:
あははははは。笑

柴田:
まあまあまあね。笑

聡さん:
子供ができてから、なんか家に楽器があるなぁっていうところで、それを見て自然とやってほしいとは言わないですけど、言わないと思いますけど。笑

柴田:
うんうんうん。

聡さん:
どっかで、そういう音楽のことを見聞きしたりとか、興味を持てる環境が持ててたらいいなって思います。

(前編はこちら)

(noteでの記事はこちらから)