”会社は「仕事を通しておもしろいこと探しをする場所」 vol.1(後編)” ディレクター樋口さん

2021.03.17.柴田


3月もいよいよ中旬です。

この時期、ボクたちおいかぜの繁忙期。
いつもなら20時を過ぎると人もまばらな事務所。
まだスタッフがたくさん残っていてボクとしてはとても申し訳なく、あと半月をみんなで乗り切ろう、そんな気持ちで文章を書いています。

この原稿を書いている最中、どうやら樋口さんの陣痛が始まったようで、そしてしばらくあとに無事に出産を終えたという知らせがslackに舞い込んできました。

おめでとうございますを樋口さんに。そして産まれてきた新しい命に。

ボクはこのタイミングでこの後編の文章を書いていることに運命的なものを感じつつ、取材のときの樋口さんの言葉を思い出しています。
彼女はとても一貫している。
それが結論です。

結局のところ彼女は”おもしろいことに素直な人”のようです。

おいかぜの人格というべきか、おいかぜという会社の定義というべきか、おいかぜは”仕事を通しておもしろいこと探しをする場所”というのが樋口さんのアンサー。
”「こっちのほうがおもしろそう!」ということが行動原理”の樋口さんにとっては至極当然のことなのでしょう。

先週の前編に続いて、今週は後編をお届けします。


ルーティーンワークが苦手という個性が産むクリエイティビティ

柴田:
なんか、どうですか?おいかぜってどんな会社ですか、2年半働いてみて。
楽しい、楽しくない、良い、悪いみたいな、いろんな切り口はあると思うんですけど。

樋口さん:
一番に働きやすいですね。
今までいた会社の中で一番働きやすいですね。
それってなんでなんだろうって考えたとき、けっこう柴田さんがチャレンジャーな方ってのがありますね。

柴田:
ありがとうございます。笑

樋口さん:
例えば、なんでしょう、社内制度変えるとか、

柴田:
はいはいはいはい。

樋口さん:
そういうことって、普通だったらブレーキがかかったりいろいろと考えることがあったりとかすると思うんですけど、その辺はすごいアンテナ張ってくださっていて、ありがたいなーって感じですかね。
リモートワーク制度のこともそうですし、いろいろな制度や仕組みにあらわれてるなぁって感じです。

柴田:
うんうん。なるほど。
ありがとうございます…



褒められて急に喋らなくなるっていう。笑

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

柴田:
仕事で嫌いとか苦手なことってなんなんですか?

樋口さん:
嫌いなことは、嫌いなこと?うーーん。なんやろう。
繰り返しのものとかは苦手やったりしますね。

柴田:
ルーティーンワークってことですか?

樋口さん:
ルーティーンワークはできた試しないですね。

柴田:
うーん。

樋口さん:
例えば家事もその一例だったりします。

柴田:
あーそうなんですね!

樋口さん:
はい。
もちろん家事をやるのはやるんですけど、そのモチベーションって何かって考えたとき、見た目に汚くてストレスやからやるんですよね、わたし。
でもある日、田中(ご主人)に聞いたら、彼のモチベーションって”俺は毎日初期化したいんや!”って。

柴田:
あーーわかる!!

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

柴田:
めっちゃわかる!!笑
わかるわー仲良くなれそうやわー。

樋口さん:
この人そうなんやみたいな。
いいこと聞いたと思って。笑

柴田:
そうなんすよ。初期化したいんですよ。

樋口さん:
みたいですね。

柴田:
ボクがね家事をするとき、ん?ボクの話してもしゃあないんですけど。

樋口さん:
ぜんぜんぜんぜん!

柴田:
ゼロ地点をつくりたいんですよ。

樋口さん:
はいはいはいはい。

柴田:
これがフラットだ、これが初期化だっていう状態をつくったら、そこがゴールになるんですよね。
それを毎日初期化したいっていう気持ちはすごくよくわかります。

樋口さん:
それ言われて、あー絶対無理!って思いました。笑

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

樋口さん:
わたしたぶん許容値を超えるとストレスがたまる、家事をやる動機ってそのストレスが基準なんです。
なんかしんどくなると、許せる範囲が狭くなるというか。

心に余裕があると許容値が少ないからすぐ片付けるって感じですね。

柴田:
なるほどねー。

いまちょうど読んでいる本がけっこう面白くて、誤解を恐れずざっくり言うと、例えば世の中的な健常者ではない人たちは暮らしや生活で発生する事象や行動をパターン化できない、

<責任>の生成ー中動態と当事者研究

樋口さん:
あーなるほど。

柴田:
つまりマジョリティの人たちにとってはパターンやカテゴリにおさめることのできる出来事が、そういう人たちにとっては常に新しい出来事、違う出来事に感じるらしいんです。

樋口さん:
ほうほうほうほう。

柴田:
ボクたちって似たような出来事をパターン化して、それを例えば習慣にしたりとかできますよね。
そうやって予測誤差を少なくして生きている、そうすることのほうがストレスが少なかったり、暮らすことや働くことってやりやすいんですよね。
まあボクのようにコミュニケーションを型で捉えようとしたり、ボクのnoteの記事で言語化していることって、まさにそういう予測誤差を少なくしようとする動きだったりします。


”専門・特化・限定”と”汎用”の間にあるちょうどよいところのおはなし

何某かの”対人関係論”は自分の”おいかぜ”になるのかもしれないというおはなし


樋口さん:
うんうん。

柴田:
AということがあるときはB、CということがあるときはDみたいなのを、予測しながら生きていくと、だんだん予測誤差が少なくなっていく、それを超えると不安になったりとかストレスになったり負荷がかかったりするんですけど、たぶんね、家事とかもそうだと思うんですよ。

樋口さん:
あー!

柴田:
そのパターン化できる人とできない人がいる。
例えばダイニングテーブルを拭くという家事にフォーカスしたとき、ボクや田中さんの場合だ”食べ終わったら台を拭く”みたいなことが、樋口さんの場合は”汚くなったら台を拭く”みたいなパターンに分岐する。
そしてその分岐すらない、パターンにすらならない人もいる。

樋口さん:
うんうんうん。

柴田:
たぶんそういうことなんだと思うんですよ。

樋口さん:
”汚くなったら台を拭く”タイプです。

柴田:
そうそうそう。ボクの場合は汚れたらじゃないんですよね。笑
だって初期化したい人だから。笑

樋口さん:


柴田:
でもこの話って、たぶんクリエイティブの感受性の話とすごく関連していて、日々出会う出来事を常に新しい出来事、違う出来事と受け取れる心っていうか、そういう”人とは違うパターン化”とか”そもそもパターン化しないこと”って、クリエイターにとってすごく大事なことだと思うんですよ。

樋口さんは、いろんな出来事をパターン化せずに受け取れるからこそ、アウトプットにコダワリが出てくるんじゃないかと思っていて、そこは良さのような気がします。

樋口さん:
そうですね。
そしてわたし逆説的に変化にはめっちゃ強いです。

柴田:
あーさっきもね、出産とか産休・育休に特に不安はないって言ってましたもんね。

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

樋口さん:
明日違うことが起こっても切り替えれる。
そういう力はすっごい強いです。

柴田:
なるほど。おもしろいなー。


会社は「仕事を通しておもしろいことを探しをする場所」である

柴田:
ボクがこの取材をやろうって思ったのは何かって言うと、おいかぜっていう会社の人格をつくりたいと思ってるんですよ。

ボクが目指す会社のかたちは、ボクが所有しているというより、もっとみんなのものっていうか、もちろんボクが責任を取る立場で、いろんなことはボクに帰属するんですけど、”みんなにとってのおいかぜって何か”っていうことの言語化をやっていきたいって思っています。
世の中お金だけじゃないんだけれど、単純に給料の話で言ったらおいかぜより良い会社はもっといっぱいあると思うんですよね。
それでもみんながおいかぜで働いてくれてる理由とか、おいかぜで働くことの良さを言語化しておかないと、ボクが何か間違いを起こしたとき、何かストッパーのようなファンクションが無ければ、人は辞めていくわけじゃないですか。
辞めていかなかったとしても、おいかぜで働きたいって気持ちが薄れていく。

樋口さん:
そういう意味で言うと、さっきの話につながりますけど”ルーティーンワークマジでできません!”みたいなところとは逆、つまり自分の得意とするところで働いていけるという安心感はありますね。

柴田:
なるほど。

樋口さん:
なんか息は出やすい、そんな気はしています。

柴田:
”だれかのおいかぜになる”って言葉をもっとスタッフのみんなと考えていきたいなと思っていて、樋口さんにとって、”だれかのおいかぜになる”ってどういう感覚で受け止めていますか?

樋口さん:
オーダー通りとか、お客さんがやってほしいことそのままってことにプラスアルファしたいなみたいな感じではありますね。
なんかこう、こっちのほうがぜったい楽しそうやのに、おもしろそうやのにみたいなときに、”だれかのおいかぜになる”っていう言葉はいろいろふんわり巻き込んでくれるので、それに乗っかってるところはあるんですけど。

柴田:
そうっすよね。そしてやっぱり樋口さんの行動原理はおもしろそうなんですよね、

樋口さん:
そうですね。一番の核はそれですね。

柴田:
なんかこうー、この先のことなんて誰にもわかんないじゃないですか、ボクは樋口さんが戻ってきてくれると思っていて、樋口さんは会社に戻るつもりでいて、出産とか育児ってほら、人生の一大イベントなので、何がどうなるかわからない。
出産とか産休・育休に不安がないって言葉を聞くと、樋口さんがプロダクション事業部で初めての出産する人ってのは納得感がすごくあって、そんな納得感いらないかもしれないですけど。笑

樋口さん:
納得感!笑

柴田:
先駆者感がすごいあるなって思ってます。

樋口さん:
ははは笑

でもわたしこれから出産される方の役に立ってないような気はするんですけど、とは思いながら。笑

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

樋口さん:
すいませんって感じです。笑

柴田:
産休・育休って現場視点で見るとブランクがある。
でもボクにとっても会社にとっても樋口さんが産休・育休を経て戻ってきてくれることはメリットが大きいと思っていたりします。

樋口さん:
いやーありがたいです。

柴田:
さっきやまもっちゃん(プロダクション事業部:クリエイティブチーム所属)と面談してたんですが「樋口さんがいなくなるのは不安です」って言ってましたよ。笑

樋口さん:
ほんとですか。笑

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

樋口さん:
うそやー!笑
ぜったい1人でなんとかできるやろー。笑
あははははは。笑

柴田:
みんなのキャリアというか人生というか、会社とみんなの関わりを長い目で見たいと思っていて、だからこそおいかぜという会社をきちんと人格化しておきたい。
みんなにとって主体性を持てる会社にしていきたいんですよね。

樋口さん:
うんうん。

柴田:
”会社のことを自分ごとにしましょう”みたいな話ってあると思うんですよ。
でも”どうやって会社のことを自分ごとにするの?”思ってるんです。

樋口さん:
うんうん。

柴田:
仕事を主体的に取り組むこと、つまりは仕事を自分ごとにすることはできる。
でも会社のことを自分ごとにするのはなかなかできないと思うんです。

樋口さん:
ほーうんうん。

柴田:
ボクはこのあたりの話にここ数年モヤモヤし続けていまして。
つまりは”スタッフが会社のことを自分ごとにする”というテーマということなんですが。

樋口さん:
うんうんうん。

柴田:
なんか良い方法で、みんなで会社をわかちあえる、当然ボクが責任は取る立場だから、リスクヘッジはしていかないといけない、なんかあったときに困るので、それは考えるんですけど、なんかもうちょっと会社を共有資産というか社会資本的というか、そういう存在にできないかなっていうのを、けっこう真剣に考えてるんですよ、うまくいくかどうかもわかんないんですけど、そこをみんなとの対話の中で見つけれたらなと思っています。
みんながおいかぜという会社に何を求めているのか、みたいなことはボクの最大の関心事かもしれないですね。

樋口さん:
会社に何を求めているかですか。

わたしは仕事を通しておもしろいことを探している
たぶん人によってはおもしろいこと探しって仕事じゃない場合もあると思うんですよ。
子育てもたぶんそうだし、別に趣味とかでもいいし、個人での作家活動とかいっぱいあると思うんですけど、わたしの場合は仕事です。

仕事は前に進んでいる感覚が得られるし、わたしにとってのおもしろいこと探しの場所は会社なんですよね。
今の環境にまったく不満はなくって、自分のおもしろいこと探しもできるし、最初のほうにお話した”わたしチームワーク足りてないですね!”みたいなこととかの発見とか、わたしの場合は自分の求めていることと会社でできることは合致はしてるかなぁって感じはあります。
それに柴田さんからだったり、他にみんなからだったりが、わたしに求めている仕事と合致するといいなぁと思います。

柴田:
仕事好き!って感じのタイプですもんね。

樋口さん:
仕事が一番かも…あ、サラリーマンもけっこう好きです。

柴田:
なるほど!笑

柴田、樋口さん:
ははは笑

柴田:
お勤めっていう範囲が決まっているっていうのもありますよね。

樋口さん:
親が自営業やったんでずっと見てたんですけど”ああ、わたしこんなん1人じゃがんばれへん”とか思うんですよ。

柴田:
うんうんうん。
会社だと仲間もいますからねぇ。

樋口さん:
親を見ていると、自分ならそのモチベーションってぜんぜん保てないし、会社のような場所に仲間がいて、誰かの役に立つことで前に進めるなっているのはありますね。

柴田:
なるほど!
おいかぜっぽい!

樋口さん:
そうですねぇ。笑

柴田、樋口さん:
あははははは。笑

(前編はこちら)


(noteでの記事はこちらから)