”就業規則”は”働くことの健全性”を保つ唯一の手段かもしれないというおはなし

2021.01.27.柴田


緊急事態宣言が出て2週間と少し。

前回の緊急事態宣言のときよりは、自宅リモートワークに慣れてきたような気もするけれど、やっぱり何かフワフワ落ち着かない、そんな日々を過ごしています。

リモートワークはこの状況下で急速に市民権を得た働き方の一つだけれど、もっと以前から注目されている働き方の一つとして”プロジェクト型の働き方”という言葉があります。

プロジェクトとは目的を期限内に達成する活動のこと。
チームと混同されがちですが、チームには期限がないことが多いです。
チームと組織はニアイコール。
プロジェクトとは、映画オーシャンズイレブンのように、スペシャリストが期間限定で集まり、目的を達成したら解散するというものです。

この働き方は主にフリーランサーの文脈で語られることが多い。
そしてボクのまわりではその場合がほとんどです。
もちろん会社に属している人でも”プロジェクト型の働き方”を選択している人もいるかもしれませんが、やはり組織に属しているとまだまだ難しいように感じます。
どこかに属していると当然就業規則があって、労働日数や労働時間が決まっているから、フリーランサーとまったく同じようにプロジェクトに参画することはできない。

ほんとうにしつこいようですが、ボクのここ数年のキーワードである”働く場所の遍在化による、働く時間の細分化”で考えたとき、フリーランサーというのはとても良い選択、自分ならではのオリジナルな働き方をつくりだせる、とは思っています。

「働く場所の遍在化による、働く時間の細分化」についての思考。

フリーランスの人たちは自らで自らのスケジュールやリソースやクオリティを管理しています。
これってすごく難しいことです。
現場で実際に手を動かすこととマネジメントや管理することを両立させることは、かなり特殊なスキルが必要だと思っています。

現にボクはおいかぜを始めて10年目くらいには現場で手を動かすことは諦めました。
諦めたと書きましたが、半ば強制的にやめたという方が正確かもしれません。
最近でもボクが現場のディレクションに入ることはあるけれど、とても稀です。
ボクの能力が足りないだけかもしれないけれど、現場の仕事とマネジメントのような管理を両立させることのできる人は少ない、そこを両立させることができる人がフリーランサーになっているという解釈です。

プロジェクト型の仕事”が成り立つにはこういう”自立している且つ現場の仕事とマネジメントを両立できる人”が集まるという前提が必要だと思っています。
つまり自分のリソースを過小評価も過大評価しない人が集まらないとプロジェクト全体のリソースを適正に測れないはずです。
もっと平たく言うと”プロジェクト型の仕事”には優秀なフリーランサー(人材)が集まる必要があるということだとも言えます。

おいかぜは長年リソース管理に苦労しています。
みんなの仕事状況を見ながら新しい仕事を受注しているつもりだし、残業が多くならないように(本当は残業をゼロにしたいとは思うのだけれど)しても、どうしても作業の配分に偏りがあったり、誰かに無理をさせてしまうことがあります。
会社という割と個人のリソースを可視化しやすい状況でも苦労することが多いのに、フリーランスの人たちが集まるプロジェクト型の仕事ってどうやってうまく進めているんだろう?ってのはボクの最近の関心事の一つでもあったりします。
プロジェクトを管理する立場の人から見たとき、プロジェクトに参画するメンバー個人のリソースは細かく見えない状態で、申告されたリソースを信用して作業の配分がなされていく仕事ってどんな感じなのでしょう。

それは自己責任のフリーランサーの集まり、リソース管理は当然自己管理になるはずだから、ボクの書いていることは敢えて言うまでもないこと「プロジェクト型の働き方ってそういうことだよ」ってことなのかもしれない。
でも”働くことの健全性”を担保できていない違和感みたいなものを感じてしまいます。
いや、だから担保する必要がないのかもしれない。思考がループしていますね。

翻ってボクたち株式会社おいかぜがスケジュール・リソース・クオリティを完璧に管理して「スタッフはいつも健全に働いています!」って言い切れるわけはなくて、スケジュールはタイトになりがち・リソースは不足することが多いわけです。
クオリティだっていつまでも求め続けられるわけじゃない。
スケジュール・リソース・クオリティのバランス、このうまい着地点が見つかったとき、みんなにとって良い仕事・良い働き方になるなぁとは常に思っているわけですが。

少しまとめると、フリーランサーが主体となるような”プロジェクト型の働き方”の良いところはスペシャリストを期間限定で集めることができる”最適なリソースを選択”ってところ、ボクたちような会社組織の良いところは”働くことの健全性”を担保できるところ。

つまり”プロジェクト型の働き方”が”働くことの健全性”を担保することは難しい、会社組織が”最適なリソースを選択”をすることって難しい、どちらの立場にも届きにくいところがあるんだと思います。

ボクはやっぱり中庸とかバランスとか習合みたいなところに答えを探そうとするわけで、フリーランス的なやり方と会社組織的なやり方の間に良いところがないだろうか、というところに辿り着くわけです。

どんなプロジェクト管理ツールが良いのか、労務管理の画期的な方法はないだろうか、チャットツールに答えがあるかもしれない、凄腕のプロジェクトマネージャーがいれば解決するんじゃないだろうか、とかいろいろ思ってみるんだけれどボクにはまだうまい答えは出せていない。

プロジェクト管理ツールには運用が必要だし、労務管理の画期的な方法なんてものなくって、チャットツールはどれも似たようなものだし、凄腕のプロジェクトマネージャーが今すぐにおいかぜに来てくれるなんてことはあり得ない。

でもおいかぜはギリギリ働き方の健全性を保てていると思っています。

その理由はシンプルです。
それは”就業規則“があるから。
そしてその”就業規則“をその時々に応じてアップデートし、形骸化させずに運用をしているからです。

労働基準法が今の時代に最適化された法律ではないことは百も承知で、新しい時代の働き方を前提に、おいかぜの今いるスタッフのためにアップデートし続ける、そしてきちんと運用し続ける”就業規則“です。

そして”最適なリソースを選択”へのアプローチするための”採用“も大切です。期間限定のスペシャリストではなく、なるべく長く働いてくれるスペシャリストを雇用し続けることで”最適なリソースの選択”の代替を模索しています。
役割をきちんと決めながら、その役割を良い意味で逸脱できる、組織の中を有機的に横断できる人を育てていきたいと思っています。

ボクはあくまで会社組織という立場からスケジュール・リソース・クオリティの良いバランスを捉えた仕事と組織運営をしていきたいと思っています。
その発露というか、その起点というか、ボクの思考そのものが”はたらくデザイン事業部”です。

おいかぜのはたらくデザイン事業部

はたらくデザイン事業部”は単なる働き方改革のための事業ではありません。
すべての働く人が豊かで健全な”はたらくをデザイン“するための取り組みです。

ボクはいまおいかぜであらゆるはたらくことを就業規則・制度・仕組みに落とし込んでいこうと思っています。
それは福利厚生、評価制度、リモートワーク制度、その他おいかぜではたらくことに関わること全てです。

働くことの健全性”という言葉は抽象的なものでしかありません。
その抽象的な言葉を唯一具体的にできるものとして”就業規則”があると思っています。
どんなにリソース管理やスケジュール管理やクオリティ管理につまづいても、”就業規則”をその時々に応じてアップデートし、形骸化させずに運用すれば、”働くことの健全性”を保つことができると思っています。

リソース管理やスケジュール管理やクオリティ管理諦めるという意味ではなく。
念のため。



(noteでの記事はこちらから)