セイカハッカソンに審査員・メンター・協賛で参加してきました。

2018.01.16.クラ

昨年の10月21日,22日に開催されたセイカハッカソンに参加してきました。
代表・柴田が審査員、クラタが総合メンター、おいかぜとして協賛、で関わらせていただいています。

当日のレポートは、別の媒体でもご紹介されているので、
今回はクラタの目線で、メンターをさせていただいた話を中心にレポートしていきます。

参加に至った経緯

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主催のフジモトくんは、京都精華大学の学生さん。
私が学生時代に所属していたコースの後輩にあたり、oikazeごはんに遊びに来てくれたり、過去にはUX KYOTOのイベントをお手伝いしてもらったこともあります。

前回行われたイベントでは、「遊びに来てください!」と彼から声をかけてもらい、プライベートで1日メンターをしてきました。その時のメンタリングが好評だったようで、引き続き声をかけてもらえました。

また、今回のテーマが「食」ということもあり、「oikazeごはんを主催しているおいかぜさんに是非、審査員を…」と熱意の込もったプレゼンを受け、柴田さんが審査員、おいかぜとして協賛、という形で関わらせていただくこととなったのです。


“メンター”としての役割

“メンター”とはどういったものか。
私個人が考えるものとして、「寄り添う存在であり、メンタリングを受ける者(以下、メンティ)が持つ個性を最大限に引き上げる存在」というものになります。一方的に教え詰め込むものではなく、メンティをリードしていくのが私の役目。
自分自身の経験も踏まえた双方的なコミュニケーションを行い、メンティが持つものを引き出していきます。

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今回、私がメインでメンタリングをしたのは、「アイデア出し」。
参加した学生さん達に対して、先ほど述べた考えの元、サポートさせていただきました。

# 最終的に当日のイベントの運営についても、運営メンバー(メンバーは全員学生さんです)に対してメンタリングをさせていただく形になったので、”総合メンター”と称しています。
# 提供いただいた写真のほとんどでブレた姿で写っていたため、よく動いていたようです笑


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こちらは、当日参加者に配られたワークシート。
「アイデア出し〜制作までの流れ」の1〜3の時間を使い、参加者に向けてメンタリングをしていきます。

ちなみに枠内にある「エモ味ブレスト」ですが、セイカハッカソン運営メンバーのジゲちゃんが考えたセイカハッカソンオリジナルの手法のこと。このブレストでは、参加者自身のエモい味覚体験(小学生の夏休みに食べた夕ご飯の味、部活終わりのウィダーインゼリーの味など)を出し合い、なかなか一言では表現できない深みのある味覚体験をひねり出してもらいます。


“アイデア出し”は良いものだけを並べる場ではない

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今回のアイデア出しは、「エモ味ブレスト」と「食卓ブレスト」を行い、さらにそれらを組み合わせる、という3つの手法で行います。
参加者は、ほぼ初対面同士。即席でグループを組んでワークを行うのですが、順調にいくのは稀なケース。
アイスブレイクを通して打ち解け合うことは可能ですが、どのグループでも活発な意見が出るように、メンターが輪の中に入り、さらに言いやすい環境を作りだすこともメンターの役割だと考えています。


私は、各グループを回る中で、必ずこのような台詞を伝えていました。

「恥ずかしくても、意味が無いと思っていても、1人”最低でも10案”は出してみよう。それを後からお互いに見せ合って、説明してみよう。自分にとっては、”こんな回答は面白く無い”と思うかもしれないけど、誰かの気づきによって、それが面白いものに生まれ変わるかもしれないから、是非やってみてください。」

アイデアをポストイットに書くワークを導入すると、どうしても「良いアイデアを残そう」として筆が進まない人の方が大半です。多くの場合、1人3,4枚のアイデアを持ち寄り、その中から話し合っていくという状況になり、飛躍的なアイデアが生まれる可能性は低くなります。


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私が「最低でも10案」と言うのは、ただ多くを出せば良いという、安直な話ではありません。

・選択肢を多く増やすことで、組み合わせて出来るアイデアの可能性を広げることが可能。
・10案全てが良案の可能性は低い。駄案は、突っ込みやすい状況を作り、グループ内のアイスブレイクを促進させる。何気無いコミュニケーションを生み出し、そこから生まれてくるアイデアもある。
・個人ワークでは無いため、1つの視野に凝り固まる状況が生まれにくい。自分の頭の中にどんな引き出しがあるのかということに向き合い、他者の目線を取り入れ、さらに自分の視野を広げる状況を作ることが可能だろう。

こうなってくれると良いな、という思惑も含んで発言した言葉になります。


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実際、メンタリング後の各グループ内でのディスカッションは少しずつ変化し、結果としてアイデアが生まれやすい状況を作り出すことが出来ました。テーブル上にまばらに置かれていたポストイットが、テーブルいっぱいに埋め尽くされたり、重ねないと見えない状況になっていたのが印象的でした。

私の中で、”企画は、大きなパズルを作り上げるようなもの”という考えがあります。おもちゃ箱をひっくり返して、たくさんのピースを組み合わせながら1枚絵を作り上げるような感覚です。
自分1人だけでやると、似たようなピースばかりのパズルになりますが、複数人でやるとピースの形も大きさも大概がバラバラ。でも、そんなパズルを「あーでもない」「こーでもない」と話しながら完成させてみると、自分が想像し得なかったものを完成させることもある。
そういった感覚をこのアイデア出しで体験出来てもらえていただけたなら幸いです。


自分には無い視点の気づき→自分の役割の気づき

アイデア出しの過程で、自分には無い視点をたくさん取り入れた参加者達。
制作フェーズでは、グループで1つの制作物を作るために、各々の得意分野を遺憾なく発揮し、自然と役割分担をして制作を進めている様が印象的でした。

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プログラミングをしている参加者の横で、工作や裁縫をする参加者がいるというカオスな状況は、芸術・デザイン・マンガ・人文・ポピュラーカルチャーという5学部からなる京都精華大学の学生が参加の大半を占めていたからのように思います。

「成果物を作る」という目的に向かって、自分の役割に気づき制作を進めている様子を見ていると、背筋がピンッとしました。私自身このイベントに参加して、普段では気づかない視点で物事を見ることが出来、たくさんの新しい視点を取り入れることが出来ました。そして同時に、日々の中でちゃんと自分の役割を果たしているのか、貢献出来ているのか、という事を考え直す良い機会となったような気がしているのです。

“メンター”をしている立場ですが、実はメンタリングされているのは自分自身なのかも…と思ったり。こういう気づきは普段見失いがちなので、このイベントに参加することが出来て良かったと思っています。


さいごに

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結果発表では、審査員を務めた柴田も、参加者を見守っていた私も大いに楽しませていただきました。
アイデアの力と学生たちの勢いで乗り切るプレゼンは、他のハッカソンでは出来ない、セイカハッカソンならではのような気がしています。今後も是非続けて欲しいし、もっと多様な人たちが関わることによって、より楽しいイベントになるだろうなと感じました。

関係者の皆さま、このような機会をいただき、ありがとうございました。
今後も様々な形で皆さまのおいかぜになっていきたいと思いますので、ご興味を持たれた方は、是非お問い合わせください。


クラ